矢祭町で地域食材を使った加工食品などの生産・販売を行っている「山のごちそう本舗」さんに伺い、職場体験をさせていただきました。

矢祭町 山のごちそう本舗さん

代表取締役社長である増子正代さんの自宅に到着すると、すでに朝の出荷作業が始まっていました。今の時期は「破竹」や「山菜」を毎日出荷しており、この日は朝4時から収穫した破竹とわらびを郡山市の農産物直売所「ベレッシュ」に出荷する準備を行っていました。
「破竹」は「淡竹」とも書き、孟宗竹の季節が終わるころに顔を出し始めます。赤みを帯びた薄い茶色で、孟宗竹とは違い産毛はほとんどありません。また収穫は孟宗竹の筍のように「掘る」のではなく鎌で「刈る」のが一般的だそうです。

破竹の出荷作業

傷んでいるものや短いもの、細すぎるものを取り除き、長いものは40センチほどに切り揃えます。汚れをふき取り、数本ずつ束ねて重さを量り、ラベルを貼ります。 (ちなみにここで切り捨てられた部分も柔らかく、食べるには全く問題ないそうです。)

計量しラベルを貼る

重さによって数種類の金額に分けて出荷します。 この日は20~30キロ入りのコンテナ4つを出荷しました。この時期は約100キロの破竹を毎朝出荷しているそうです。

さらにこの日はわらびの出荷も行いました。


朝とれたばかりのわらびの出荷

長いものは少し切って長さを揃え、袋に入れてラベルを貼って完成です。
出荷先の郡山市「ベレッシュ」までは車で片道2時間弱、毎日出荷をするのは大変な手間と時間がかかります。売り上げ状況は一日に3回、決まった時間に送られてくる売り上げ速報のメールで知ることができます。このメールで店舗の在庫状況を確認して、次回の出荷量などを決定するそうです。このような通知システムは県南地方の農産物直売所(り菜あん・みりょく満点物語など)でも取り入れられているそうです。収穫からパッキング、出荷、販売、在庫管理などの一連の作業を、「道の駅ひらた」や「楽楽らくおう」などの数ある出荷先ごとに管理するのは大変なことだと感じました。

次は大人気商品「ごぼう茶」のパック詰め作業です。ごぼう茶には、食物繊維・ポリフェノールが特に豊富に含まれており、腸内環境の正常化・細胞の酸化防止・むくみ解消・冷え性対策などの効果があります。

よく炒ったごぼうチップ

手作業で計量します

しっかりと焦げが出るまで香ばしく炒ったチップ状の皮付きのごぼうを計量し、一つ一つ手作業で丁寧にティーバッグに入れます。それを14個ずつ、ラベルを貼った袋にパック詰めして完成です。

どんどん作ります

完成したごぼう茶

お昼休憩を挟んで、最後は看板商品「旨しょうゆの素」作りです。「旨しょうゆの素」は大変な人気商品で、生産が全く追いつかない状況なんだそうです。 朝は収穫・出荷作業、日中はつくだ煮・漬物・水煮などの他商品の加工作業や、直売所などでの対面販売などで多忙を極め、ごぼう茶や旨しょうゆの素の製作は主に夜間に行い、納期によってはほぼ徹夜で行うこともあるそうです。

鷹の爪を最初に入れます

矢祭町産乾燥ニンニクチップ

乾燥させた鷹の爪・ニンニク・シイタケ・昆布をたっぷり瓶に詰め、蓋を閉めます。こちらもごぼう茶同様1つ1つ手作業で行うので、一本完成するのにも時間がかかります。 ビンに詰めるのは乾燥させた4種類の素材のみですが、ニンニクと鷹の爪には抗菌作用があるため、防腐剤等を添加しなくてもビン内の素材の安全性が保たれるそうです。

具だくさんが自慢です

ラベルを貼り、キャップを閉め、不織布をかぶせて完成です。


キャップ・不織布をかぶせて完成

「山のごちそう本舗」さんは、現在こそ数々の人気商品を生み出し、多くの注文を受けるようになりましたが、立ち上げ時からそうだったわけではなく、当初は商談会等に積極的に参加したり、地元の商店の軒下で販売させてもらったりと、地道な活動をつづけていたそうです。その苦労の末、現在では多くの注文をいただけたり、他の事業者とのつながりができ、事業に幅ができたそうです。
今回出荷・加工体験をさせていただき、出荷までの流れや出荷後の商品管理、商品づくりなど、加工・販売に関するノウハウ・苦労を学ばせていただきました。県南地域には優れた食材・素材がたくさんあります。それらを利用して商品を考え、作り出すことも大切ですが、作って終わりではなく、どのようにして地域に定着させるか・安定した販売につなげるかが大切だと感じました。

山のごちそう本舗さんの商品は、ベレッシュ(郡山市)・道の駅ひらた(平田村)・楽楽らくおう(白河市)などで購入できます。

お忙しい中、本当にありがとうございました!