福島県では、菌床によるしいたけのハウス栽培が盛んに行われています。しいたけの菌床栽培は昭和40年代から研究・開発が進み、平成に入ると全国的に普及していきました。現在のように一年を通して「生しいたけ」が安定生産され、市場に出まわるようになったのは、平成に入ってからだそうです。

今回は泉崎村で「円谷木の子園」を営む、菌床しいたけ栽培農家の円谷康夫さんにお話をうかがいました。
円谷さんはしいたけの菌床栽培を始めて11年目になります。以前は郵便局の職員として働いていましたが、早期退職をして、しいたけの菌床栽培を始めたそうです。

円谷康夫さん

円谷さんの農園では、約45坪のビニールハウス3棟で、約2万個の菌床によって完全無農薬でしいたけが栽培されています。12月から3月にかけて菌床を作り、菌を仕込みます。このように菌床作りから始める栽培農家は、県南地方では4軒しかなく、泉崎村では唯一の栽培農家です。そして、4月から9月頃まで菌の培養を進め、9月頃からしいたけが発生し、収穫が始まります。出荷はJAや直売所に向けて行っており、3kgを箱にバラ詰めした状態で出荷し、4月頃まで続きます。

ビニールハウス

栽培方法は、菌床の上部にだけしいたけを発生させる、「上面栽培」によって行われます。上部に発生するしいたけに養分を集中させることによって、カサのしまった厚みのある良質なしいたけが栽培されています。通常、一つの菌床からは約1kgのしいたけが収穫されますが、円谷さんは約800gに抑え、良いもののみを選んで出荷しているそうです。

上面栽培

菌床しいたけの栽培は、温度と湿度の管理がとても大切です。例えば湿度が低いとしいたけは発生しなくなってしまいますが、逆に高すぎると、しいたけが傷みやすくなってしまうそうです。また、無農薬栽培にこだわり、ハエなどの虫は虫取りシールなどで駆除するなど、薬品を使用しない工夫をしています。

軽くたたくとしいたけが発生するそうです

 円谷さんの菌床しいたけはこれまで、「福島県きのこ品評会」において、最高賞である「農林水産大臣賞」を2度受賞しています。なじみのお客さんも多く、円谷さんのもとへ直接買いに来る方も多いそうです。また、直売所や飲食店などからも評判がよく、「円谷さんのしいたけは味も香りも最高だ」と言われることも多いそうです。円谷さんは「この先も『円谷木の子園』として菌床栽培を続け、地域の皆さんに、心から喜んでもらえるしいたけ作りを続けたい。」とおっしゃっていました。

円谷さんの菌床しいたけは、泉崎村の「こころや」さんで購入できます。ぜひ味わってみてください!